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母のお弁当

母が亡くなり、30年が経ちます。それでも時々、母が作ってくれたお弁当で
印象に残っている出来事があり、思い出すことがあります。
皆さんも母親の味は好きな方が多いかと思いますが、私も母の料理はとても満足していました。

それでは、とても印象に残っているお弁当事件の話をしたいと思います。
中学2年の時の事です。
夜に些細な事で母と喧嘩をしてしまい翌朝は、お弁当は無いかな?
と思いながら台所へ行くとテーブルの上に早弁用のおにぎりとお昼ご飯のお弁当が布巾に包まれ置いてありました。
怒ってはいないのだ。良かったと安心をして普段通りに学校へ。
早弁の時間になり、ルンルンでおにぎりをパクリパクリと食べていると、なかなか具に辿りつけず、1つ目を食べ終わってしまいました。
でも塩気と海苔の味で美味しかった記憶が残っています。
おっちょこちょいな母なので具を入れ忘れたのだろう。2つ目には焼きたらこが入ってあるだろうなぁと思い食べ続けましたが結局、具なしでした。
でも美味しかったので満足して次の授業を受けた記憶があります。
で、待ちに待ったお昼休憩。
今日のおかずは何かとお弁当の蓋を開けるとガーン。
お弁当の中身は白いご飯だけ。
そして、ご飯の上に海苔で

バカ

 

とありました。
念のため箸でご飯をほじくってみましたか、どこにもおかずはありませんでした。
その時の私はショックで楽しいお昼休憩が台無しだぁ〜と机の上で伏せていると、
周りの友達が色々とおかずを分けてくれました。
みんなのお陰でお腹も満腹になり、フッと頭に浮かんだのが母のことでした。
昨夜はかなりご立腹だったのだろうと思いながら反省をしたとともに、やはり母は少しユニークだなぁと笑ってしまいました。

では次は、そんな母の手抜き料理を紹介したいと思います。
私が小学生低学年の頃ですが、
寒い冬の日におでんの味が染みた卵が食べたい!
と母に話すと明日の夜はおでんにするょ。と言ってくれたのでおでん作りの時は、
私は私なりに手伝いをしました。
そしてようやく、おでんがテーブルに運ばれて来ました。
そのときに違和感がありました。それは母がテーブルに運んで来る時に、鍋からゴロゴロ固い物が転がっている音がするのです。
でも味の染みた卵を食べることが優先で、その音にはさほど気になりませんでした。
いざ、卵を鍋から取り出すとガーン!
な、な、なんと卵は殻付きのままおでん鍋に入っていたのです。
もうショックで何故?と母に聞いたところ、面倒だったそうです。
その日の夜の私は、おでんは食べずに卵の殻をむき、出汁の中に入れ
明日、美味しい卵を食べることを想像しながら寝たことを覚えています。

こんな母でしたが私は大好きでしたし、尊敬をしています。
今、私は亡くなった母の年齢を超えています。
今となっては母の気持ちが分かります。(おでんの卵は例外です)
昔の話を振り返る事が出来たらなぁ~と思う今日この頃です。

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溝の口事業所
猪久保

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