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点字の歴史

こんにちは。Hです。
毎日、ぐずついた天気が続いていますね。
さて、今回は点字の歴史について紹介したいと思います。
長文になりますことをお許し下さい。

現在の点字は、フランスのパリ訓盲院の生徒ルイ・ブライユが
1825年、16歳のときに考案したものです。彼は6つの点を組み合わせてアルファベットと数字を表記する方法を考えました。1854年にはフランスでルイ・ブライユの点字が正式化されましたが、残念なことにルイ・ブライユはこの2年前に、既にこの世を去っていました。しかし彼の考案した点字により、それまでほとんど不可能と考えられていた、視覚障害者自身での文章の読解と記述が可能になったのです。
 現在日本で使用されている日本語の点字は、石川倉次により考
案されました。彼の考えた点字は1890年(明治23年)11月1日に東京盲唖学校内の点字選定会で正式に採用されました。これを記念して、現在11月1日は「日本点字制定の日」となっています。
 その後、1901年(明治34年)には官報に点字が公表され、1926年(大正16年)には点字による投票が認められるなど、点字が社会に普及し始めました。戦後は大学入試や司法試験でも点字による受験が認められ、点字を用いた郵便物の宛名書きが認められるなど、そ、の使用範囲も広がってきています。
参考文献:『視覚障害者介護技術シリーズ1 初めての点訳 第2版』
50音の種類 (点字には、ひらがなとカタカナの区別はありません。)
 あいうえお  (-は点のない状態を示しています)
 かきくけこ  (ア行に⑥の点を加えたもの)
 さしすせそ  (ア行に⑤⑥の点を加えたもの)
 たちつてと  (ア行に③⑤の点を加えたもの)
 なにぬねの (ア行に③の点を加えたもの)
 はひふへほ (ア行に③⑥の点を加えたもの)
 まみむめも (ア行に③⑤⑥の点を加えたもの)
 や・ゆ・よ  (アウオを一番下に下ろして④の点を加えたもの)
 らりるれろ (ア行に⑤の点を加えたもの)
 わ・・・を   (ア行のアオを一番下に下ろしたもの)
 ん       (最後の文字なので、ヲに6の点を加えたもの)
  

 この50音だけで、63個のうちの46個を使いました。
残りの17個は、いろいろな記号に使われています。
 たとえば、日本語の音の中には「がぎぐげご」などの濁音や「きゃきゅきょ」などの拗音があります。それを表すのには種類が多くて別の点字を当てはめると63個を越えてしまいます。ですから、50音の中の当てはまる音の前に「にごりますよ」「拗音になりますよ」というようなお知らせの記号をつけ(これを前置記号といいます)、二マスで一つの音を表す点字になります。
 濁音  濁音符(⑤の点) これを前置することで次の音が濁ることを示す。
 が  ぎ ぐ げ  ご
 ざ  じ ず ぜ  ぞ
 だ  ぢ づ で  ど
 ば び ぶ べ ぼ
 半濁音 半濁音符(⑥の点を前置する)
 ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ
拗音 (④の点)       
拗濁音(拗音④+濁音⑤)
拗半濁音(拗音④+半濁音⑥)
 きゃ  きゅ  きょ
 しゃ  しゅ  しょ
 ちゃ  ちゅ  ちょ
 にゃ  にゅ  にょ
 ひゃ  ひゅ  ひょ
 みゃ  みゅ  みょ
 りゃ  りゅ  りょ
 ぎゃ  ぎゅ  ぎょ
 じゃ  じゅ  じょ
 ぢゃ  ぢゅ  ぢょ
 びゃ  びゅ  びょ
 ぴゃ  ぴゅ  ぴょ
言葉を書き表すときに必要な記号  長音符(②⑤の点)のばす言葉のときに使う
 促音符(②の点)言葉がつまるときに使う
数字を書くとき  数符(数字を書くことを知らせる前置記号)
アルファベットを書くとき  外字符(アルファベットを書くことを知らせる前置記号)
 大文字符(半濁音と同じ⑥の点ですが、外字符の後に続けて使うことによって次にくる字が大文字になります)

数字やアルファベット
 次のものは、カナとして50音の中にありますが、その前に数符や外字符を付けることによって、数字やアルファベットになります。
つまり、前置記号を付けることによって、同じ点字を何度も使うことができるのです。

 あいうるらえれりおろ
 1234567890   (数符を前置する)
 abcdefghij      (外字符を前置すると小文字になる)
 ABCDEFGHIJ   (外字符と大文字符を前置すると大文字になる)
 なにぬつたねてちのと
 klmnopqrst
 KLMNOPQRST
 はひそふむま
 uvwxyz
 UVWXYZ

まだ紹介していない点字
 
 これらも、文を書くときの句点やカッコ、カギなど様々なものに使われます。前に出た記号類と組み合わせたり、あるいは、同じ記号でも前後が続いているか区切れているかによって種類分けをしたりして、墨字に対応したたくさんの記号が用意されています。もちろん、数学記号や理科記号、楽譜記号、情報処理記号などもすべて、この63個の点字の組み合わせでできています。
 つまり、たった63個の点字ですが、墨字と同じようにすべての文字が書き表せるようになっている、よく考えられたすばらしい文字なのです。

(注) 墨字は活字と同じ意味になります。昔は炭で文字を書いていた多面に、今も点字に対して墨字と言う文化が残っています。

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